CO-DESIGN 共に、デザインする。

丹羽設計の施設・ビル西ノ島コミュニティ図書館

隠岐諸島にある西ノ島町コミュニティ図書館「いかあ家」
西ノ島の国賀海岸
内海に面した海の見える図書館
静かな島の夜に明かりを灯します
エントランスを入ると大きな土間でくつを脱いで上がります
木の暖かみのある大きな図書館スペース
背の低い本棚で図書館に来た人の顔が見渡せます
子どもたちが座って本を読める階段状の本棚
島の人の憩いの場 縁側コミュニティカフェ
海の見える図書館です
カフェの隣で親子で過ごせるスペース
中高生に人気の掘りごたつの読書スペース
海を見ながら料理やものづくりができるスペース
エントランスに近く利用しやすい郷土展示スペース
西ノ島出身のデザイナーによる暖簾
西ノ島出身のデザイナーによるサイン
西ノ島在住の陶芸家夫妻による手作りタイルの壁(エントランス)
大漁と繁栄を願う恵比寿さんの手づくり陶製レリーフ

西ノ島コミュニティ図書館

所在地 : 島根県隠岐郡西ノ島町浦郷
構 造 : 木造1階建
用 途 : 図書館
敷地面積: 4830㎡
建築面積: 1105㎡
延床面積:  999㎡
竣 工 : 2018年3月
施 工 : 株式会社鴻池組、赤沼電工株式会社

 境港からフェリーで二時間、島根県の隠岐諸島の西ノ島にあるコミュニティ図書館です。図書館も書店もない(本も置いている商店はあります)離島で、どんな図書館をつくったらいいか島の人たちと一緒に考え、本を読む人も読まない人も気軽に集まれる、みんなの居場所となる図書館をつくりました。エントランスを入って、大きな土間で靴を脱いで上がる、みんなの家のような図書館です。

 中央に木の暖かみのある大きな図書スペースがあり、それを囲むように人が集えるいろいろな居場所があります。島の人の憩いの場所となる縁側コミュニティカフェやキッズスペース、中高生の居場所となる掘りごたつ式の読書スペースや階段状の本棚、町民の方がさまざまに使える和室やものづくりスペース、多目的室などに加えて、西ノ島は都会からの移住者も多いので、仕事にも使いやすい海が見えるカウンター式の読書スペースを設けました。

 また、図書館づくりに島のみなさんにも参加していただきました。西ノ島出身のグラフィックデザイナーが入り口の暖簾やサインをデザインして下さり、移住者の陶芸家夫妻はエントランスの陶壁のタイルや屋根のアクセントとなる恵比寿さんのレリーフなどを焼いて下さりました。郷土資料コーナーには、島の鍛冶さんがつくられた刀や刃物が展示されています。手づくりの部分があると、ものづくりがとても楽しく、やさしいものができることを実感しました。

 新しい図書館ができることで、島民のみなさんの居場所となるだけでなく、島に来る観光客の方がくつろいでくれたり、今までなかった文化的なスペースができることで、これまで帰ってこられなかった島出身のひとがUターンで帰って来られるようになったらいいなあと思っています。

 開館一年後に西ノ島を訪れてみると、図書館がみなさんに使われているだけでなく、都会から帰って来た方が、ピザの移動販売をしながらレストランの開店準備をしていたり、島の古民家を改修したおしゃれなカフェがオープン間近だったので、とても嬉しく思ったのでした。3年後を楽しみに、また訪れてみたいと思います。西ノ島はとてもいいところですので、皆さんもぜひ観光で行ってみてください。