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丹羽設計の住宅庭瀬の家

庭瀬の家

設計:2007年11月~2008年6月
工事:2008年8月~2009年1月
構造:木造2階建て
敷地面積:84.17㎡
延床面積:89.67㎡

伝統的な町並みの中にある小さな住まいです。敷地が狭いので、よくあるように道路に面して二台駐車場を取ると、狭い家しか建てる面積が残らず、古い町並みで揃っている壁面も歯抜けになってしまいます。そこで、建て主の方とも相談し、前後に縦列駐車する駐車場を中庭のように見立てることで、ゆったりした建て方で町並みの壁面にそろえて建てることにしました。

外観は伝統的な町並みに合わせて、しっくいや木格子、焼き杉板などを用いてシンプルで町並みと調和するデザインとしました。

道路から中庭に見立てた駐車場を入ると、右手に木製引戸の玄関があります。広めの玄関土間から左に上がるとLDKに続く階段になります。階段を上がると、2階の勾配屋根を活かして高い斜め天井のLDKがあります。小さな家でも広く見えるよう、階段も含めて大きな空間とし、中庭や隣の畳コーナーや他の部屋との間に窓を設けて視線が抜けることで、実際の大きさよりずっと広く感じるよう工夫しました。LDKの中央には奥さんの希望のステンレス製のアイランドキッチンを設け、それと調和するようテーブルや食器棚をデザインしてオーダーしました。LDKの隣には洗濯物を畳んだりもできる畳コーナーを設け、その上にはご主人が強く希望した梯子で上がる秘密基地(趣味のスペース)を設けました。こども室も4畳半程度と小さいので、上部にロフトを設けて工夫しています。

1階は土間の向こう側に道路に面した「離れ」を設け、土壁にデザイン蔀戸のある遊びの空間としました。寝室は、駐車場の車が視線に入らず中庭のように感じられるよう、一段上がった位置に設け、その下を半地下の物置として有効利用しました。いろいろ工夫することで、28坪程度の小さな家がとても広く感じられます。

ご主人がガラスの営業の仕事をしているので、ガラス張りのお風呂を設けてガラスは自分で工事をして下さったり、奥さんが近くの鉄工センターにお勤めなので、階段の手すりをスチールで作ってもらったりといろいろなエピソードがあります。「とにかく面白いデザインの家にしてください」との要望でしたが、満足いただけたのではないでしょうか。

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